CCD,CMOS受光素子サイズ比較
CCD size(PNG)
1024×768 15インチ液晶モニターでほぼ実物大。(86ppi)img

あまりにCCD(CMOS)のサイズが多くなってきてよく分からなくなってきたので比較して見ました。図は結構適当に作ったので目安程度に留めて下さい。図、右側のx2.0などの数値は35換算での焦点距離です。例えばフォーサーズ(x2.0)で50mmのレンズは35mmフィルムフォーマットでは100mmの画角に値します。
また図中の2.31などは、フルサイズを1とした場合の面積比の逆数です。フルサイズはAPS-C(デジタル)に比べ面積として約2.31倍あるという事になります(キヤノンは平均値で計算)。

フォーマットサイズ参考値 長辺×短辺(メーカー公表値)
・デジタル
■中判
Phase One P65+ 53.9×40.4mm
Mamiya ZD 48×36mm
Leica S2 45×30mm
■フルサイズ(フルフレーム) 36×24mm
Canon EOS 1Ds 36×24mm
Nikon FXフォーマット 約36×24mm
Canon EOS 5D Mark II 約36×24mm
Canon EOS 5D 35.8×23.9mm
■APS-H 30.2×16.7mm
Canon EOS 1D(Mark II) 28.7×19.1mm
Canon EOS 1D(Mark III) 28.1×18.7mm
■APS-C 23.4×16.7mm
Nikon DXフォーマット 23.6×15.8mm
Canon EOS 10D 22.7×15.1mm
Canon EOS 20D,30D 22.5×15.0mm
Canon EOS 40D 22.2×14.8mm
Canon EOS 50D 22.3×14.9mm
■Four Thirds 18.0×13.5mm
・銀塩
8×10 250×200mm
4×5 125×100mm
6×9 56×82.6mm
6×7 56×69mm
6×4.5(セミ判) 56×41.5mm
35mmライカ判 36×24mm
ニコン(ニホン)判 32×24mm
APS-H 30.2×16.7mm
ハーフサイズ 24×18mm
APS-C 23.4×16.7mm
APS-P 30.2×9.6mm
110(ワンテン) 13×17mm

※上記フォーマットが全てではありません。特に銀塩やデジタル中判、デジタルコンパクトカメラ用には多種多様なフォーマットが存在します。
また数値はメーカー公表値です。

調べていて気づいたのは1/2.7インチなどの表記は対角線の長さではなく、1/2.7インチ「型」という事です。例えば1/2.7インチ≒9.3mmですが多くのカメラは対角6.7mm前後です。何故かを調べてみると、どうも撮像管の表記方法をそのまま使っているらしいです。
ちなみにインチ(1インチ=2.54センチメートル)をセンチに簡単に直すには×5÷2と計算するのが楽です。例えば5インチ→5×5=25→25÷2=12.5cm≒5inch

APS-Cサイズが何かわからない人も多いかと思います。昔、次世代フィルムフォーマットとして出されたAPS(Advanced Photo System)は規格としてH,P,Cの3つありました。Hはハイビジョンと同じ16:9の比率を持ち30.2×16.7mm。APSのフルサイズです。Pは3:1のパノラマで、Hの上下をカットした30.2×9.6mm。CはどうもクラシックのCらしいです。35mmライカフォーマットと同じ3:2比率の23.4×16.7mm。このAPS-Cフォーマットがデジタルになって大体そのまま使われています。またデジタルコンパクトカメラやフォーサーズの比率は4:3でテレビと同じになっています。
 それと気になるのはキヤノンは自分ところの独自サイズ(x1.3 CMOS)をAPS-Hサイズといってるみたいですね。あのHは何なのか小一時間問い詰めたい。対角線長はほぼ同じではあるが比率が違うだろ(1:1.5と1:1.8)。Hは16:9(1:1.78)のハイビジョンのH。関係ないけど黄金比は1:1.618。

下にフォーマットの大きさによる特徴を大まかな表にしてみます。

× その他
フォーマット
  • レンズ、ボディの小型化がしやすい。
  • 消費電力が少なくて済む。
  • フルサイズ用レンズを使った場合など、収差の少ない中心部のみを使う事が出来る。
  • 同じ画素数の場合、ひとつの画素の面積が小さくなるので感度が落ち、ノイズも出やすい。
  • 画素数が同じ場合、大CCDに比べ画素ピッチが小さくなるのでレンズの要求精度が高くなる。
  • ボケ量が小さい。被写界深度が深い。
フォーマット
  • 同じ画素数の場合、ひとつの画素の面積が大きくなるので感度も高くしやすく(階調が豊)、ノイズも出にくい。
  • 同じ画素数の場合、多少ならば小フォーマットで甘いレンズでもシャープに写る。
  • フルサイズの場合、銀塩の時と同じ感覚で使える。
  • 歩留まりが悪く、高くなる。
  • レンズ、ボディとも小さくするのが難しい。
  • 斜めから入る光が奥まで入りにくく、周辺減光が目立ちやすい。
  • ボケ量が大きい。被写界深度が浅い。

○APS-C(やフォーサーズ)と(35mm)フルサイズの最大の特徴
…はボケの大きさ(被写界深度…ピントがあって見える幅)です。ポートレートなどで被写体以外をボカして撮りたい場合は大きい素子の方が有利です。逆にボケ易いマクロ領域で(昆虫や花などの小さいものを)撮る場合、被写界深度を深くしたいが、シャッタースピードを落としたくない(出来るだけ絞りを絞り込みたくない)場合などは小さい素子の方が有利になります。
もし技術が進んで小CCDでもノイズが少なく素晴らしい画像が得られたとして、そしてもしフルサイズCCDの進歩が止まってしまっていたとしても、こればかりは変えようがありません。しかし将来何かの方法で電子的にピントのあった部分と外れた部分とその強度を計る事が出来、画像処理でピンボケを自動で作る事が出来るようになったなら、その差は少しは縮まる事でしょう。


APS-Cに関して間違われやすい事を下記に挙げます。

●焦点距離は変わるのか?

フルサイズ(35mmライカ判)のポートレートによく使われる85mmのレンズの場合、APS-Cでは約57mmでフルサイズ85mm相当の写角になります。焦点距離自体は57mmのレンズをAPS-Cで使ったとしても85mmになるわけではありません。あくまで「フルサイズ85mm相当の写角」ということです。中判の6×7サイズでいうと(6×7は35の2倍の焦点距離のレンズで同じ画角)90mmのレンズをつけた時、決して45mmの焦点距離になるわけではないのと同じです。

●APS-Cだと全てのレンズは小さくなる?

残念ですが全て小さく出来るとは限りません。もちろんフルサイズと違ってイメージサークルがだいぶ小さいので、設計がしやすいのは確かですが、望遠レンズは広角レンズと比較してイメージサークルの制約をもともと受けにくいようです。よって、広角レンズは小さくなりやすいが、望遠レンズはなりにくいというのが通常です。ただAPS-Cはもともとフルサイズより拡大率を稼げますので、そう考えれば望遠レンズでも小さくなるとも言えるでしょうか。
余談ですが一眼レフ方式のカメラでの広角レンズはフルサイズ、APS-Cに限らず、ミラーがある為フランジバックを極端に短く取る事が出来ず、故にフランジバック以下の焦点距離のレンズを作る場合レトロフォーカスという構造を組まなくてはなりません。この構造は通常のガウスタイプより歪曲収差などが目立ちやすいなどの短所を持っています。

●パースペクティブ(遠近感)が異なる?

どういう事かというとAPS-Cに57mmのレンズをつけた場合、写角はフルサイズの85mm相当になるがパースは57mmなので誇張が強く出やすいか?
結論から書くとそんなことありません。パースは被写体までの距離に依存します。確かにフルサイズで57mmのレンズと85mmを使った物とを比べると、もちろんパースがきついのは57mmですが、それはあくまで被写体を同じ大きさにした時であって、同じ撮影距離ならば変わりません。APS-Cでも撮影距離が同じ、しかも1.5倍トリミングで85mmの時と被写体の大きさも同じと来れば、パースの強さは変わらない事も想像しやすいのではないでしょうか。
故に50mmレンズだからポートレートでモデルの鼻が大きく写った、とかは気のせいです。フルサイズで85mmをよく使うのは「明るい」「モデルとの距離が適当」それらを踏まえて「パースを押さえるのに最低限の焦点距離」辺りのせいかと思われます。フルサイズで85mm以上使えばどんな被写体もパースが目立たなくなるというわけではないです。

●APS-Cは望遠撮影に有利?

受光素子のサイズが小さいと、見かけ上の焦点距離が長くなり、望遠撮影に向いているような気もしますが、実際は総ピクセル数が関係します。すなわち同じ画素ピッチの素子の場合、小CCDは大CCDをトリミングしたに過ぎず、撮って出しの写真を除きPCでトリミングした物と同じになります。例えばEOS 1Ds MarkIII(2110万画素)を面積比1/2.11のAPS-Cにトリミングした場合、1000万画素のAPS-Cのカメラと同等になります。

●等倍マクロはAPS-Cだと等倍以上?

35mmフィルムカメラで等倍撮影出来たマクロレンズはAPS-Cではもっと大きく写せます。ただしこれは、上記の望遠撮影と同じ様な考えで、基本的にトリミングで大きくなるような物です。そして「等倍」の言葉の意味ですが、結像した像の大きさが実際と同じ場合を等倍といいますので、APS-Cになって大きく写ったからといっても等倍には違いありません。引伸しを経験した事のある人なら分かりやすいかも知れませんね。

●同じ画素数でも、フルサイズの方がAPS-Cよりもシャープ?

点光源がレンズを通して結ぶ像を錯乱円といいます。同じ画素数の場合、フルサイズの方が画素ひとつ辺りの面積が大きいので、レンズの精度がイマイチで錯乱円が大きくても、その画素内に収まってさえすれば、ぼやけていると感じられません。逆にひとつ辺りの画素が小さく、錯乱円が画素からはみ出してしまうとシャープには見えません。これらのことを許容錯乱円と言う言葉で表す事が出来、前者は許容錯乱円が大きく、後者は許容錯乱円が小さいと言い換える事が出来ます。
昔のレンズだと、この錯乱円の基準があまり小さくない物も多く、APS-Cではアラが目立ってしまう物もありますが、フルサイズだと問題ないという物もあります。勿論それを見越して設計されたレンズならば、APS-Cやフォー・サーズだから像が甘くなるという事はありませんが、あまりにノイズが酷いと、充分にレンズがシャープだとしても、そのノイズのせい、又はノイズを消そうとするノイズリダクションのせいで像が崩れ、ボヤけてしまう事もあります。


●まとめ

フルサイズとAPS-C、フォーサーズとどれがいいかは使用用途によって違ってきます。
APS-Cは安く、各社から様々な機種が提供され競争も激しく、ブレ補正など付加価値の付いた機種も多くなってきました。感度もiso800が問題なく使える機種がAPS-Cでも増え、少しでも小さい方がいい、少しでも被写界深度を稼ぎたいといった場合にはAPS-Cやフォーサーズは外せないものと思います。また逆に、少しでも高感度で使いたい、背景をボカしたい、銀塩時代と同じ感覚で使いたいという方はフルサイズがお奨めです。

さて、いろいろ書いてきましたが私、こちらの方の専門家ではないので少々間違いもあるかもしれません。その場合は何気に流して馬鹿な奴だと思っていてください。

●関連ページ:同画素数フルサイズとAPS-Cの比較テスト〜D700とD300の比較