投稿日:2025-12-02

2億画素のスマホ向けイメージセンサー(LYTIA 901)発表

ソニーセミコン、2億画素のスマホ向けイメージセンサーを開発:AI技術内蔵で4倍ズームも高精細 - EE Times Japan

https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2512/02/news056.html

プレスリリース

有効約2億画素、AI技術を内蔵したモバイル用イメージセンサーを商品化 ~単眼カメラで高倍率のズーム時にも高精細・高画質を維持~|ソニーセミコンダクタソリューションズグループ

https://www.sony-semicon.com/ja/info/2025/2025112701.html


興味深いイメージセンサーが発表されたので感想。

センサーの特徴は…

現行iPhoneのセンサー(4800万画素ピクセルビニング)を更に大型化+高画素化した感じ。

ネックとしては1/1.12型(対角14mm)とスマホとしては巨大サイズで、本来はコンデジに合ったサイズ。

ならば、スマホではなくコンデジに積んで欲しい…と思いもしますが、それが難しい理由も…ひとつはニーズ。そして、スマホならではの演算力となります。


スマホの強みは“計算力”

今のスマホは、撮影時に何枚もフレームを同時に記録して、それらをAIが一気にまとめて最適化する仕組みが当たり前になっている。ISPに加えてNPUやGPUがフル稼働し、露光違いを統合しながら、超解像、ノイズ除去、局所HDR…そういう処理を瞬間的にやってしまう。

コンデジは電力も処理能力もそこまで使えないため、基本的には「1枚のRAWを丁寧に仕上げる」従来のカメラスタイルのまま。夜景やズームで差が出るのは、この構造の違いが大きい。

合成の前提が違う

スマホは10〜20枚のフレームを重ねて“1枚をつくる”という発想で動いている。足りない情報はAIが補い、階調もノイズも最適化していく。

一方でコンデジはフレーム数が少なく、AI処理も弱いので、暗所の細部や高倍率ズームではどうしても限界が出やすい。

ズーム画質にも差が出る

スマホはAI前提の“情報の補完”が得意だ。高画素+超解像で、光学ズームに頼らなくても細部を再構築できる。

コンデジの場合、光学ズームが主役になるため、AIで“失われたものを復元する”というスマホの強みには勝ちにくい。

更新速度の違い

スマホは毎年プロセッサが更新されるけれど、コンデジは同じ処理エンジンを数年使い続けることが多い。スマホは大量生産で最新プロセッサを安く組み込める一方、台数の少ないコンデジはどうしても更新のコストが重くなる、という構造的な事情がある。

まとめ

1/1.12型のセンサー自体はコンデジ向きのサイズでも、いま画質を決めているのはセンサーより“計算力”の方が大きい。

コンデジが存在感を取り戻すには、大型センサーよりも、画像処理とAI推論の強化が必要になってくるのかもしれない。

ジャンル: カメラ カテゴリー: 技術

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