前回の「オレ流写真論」に続いて、ChatGPTと考える感性をどうやって鍛えるかの話です。
前回:ChatGPTと考える 写真の抽象化とは
https://www.renachan.com/Blog/log/2025-08-05_1951.html
毎日ちょっとだけでも脳の違うところを使って鍛えようという流れ。
ChatGPT(チャッピーさん)と話しながら考えたことをまとめておきます。
1日10分の「感性チューニング」
朝5分(見る)
10秒:体の反応チェック(どこが“きゅっ”て動いた?)
1分:何を削いで何を強調してる?(形・明暗・リズム)
1分:比喩1つ(「海面の光=細い金糸」みたいに)
2分:3語メモ(色/質感/感情の3ワード)
それぞれに対して、僕の解釈をつけます。
・体の反応チェック(どこが“きゅっ”て動いた?)
心・感情の反応チェックでもいいです。体だと「鳥肌がたった」「ゾクッとした」「熱くなった」などですが、心の場合は「懐かしかった」「落ち着いた」「ワクワクした」など、体の反応より分かりやすいものが多いです。
・何を削いで何を強調してる?(形・明暗・リズム)
作品を観た時に「作者は何を捨て、何を押し出した?」と考えることや、他にも「自分だったらこうしてみたい」と具体的に考えることで、気づかなかった面も浮き彫りになり、その作品との間にあった壁が取れることもあります。
また、自分が創作する時に、何を削いで何を強調するかはめちゃ基本で重要です。
・比喩1つ(「海面の光=細い金糸」みたいに)
比喩トレは文筆家じゃなくても有効。
チャッピーさん曰く「比喩は知覚を圧縮して他人に送るコーデック」
ありきたりではない言葉にするには観察と似たイメージを結びつける作業が必要で、新たな発想に広げるための構造と似ています。
3語メモ(色/質感/感情の3ワード)
この理由としては、単文の方が簡単なので続けやすい。組み合わせて新たな発想にも繋げやすい。定型になっていると自分の中でも整理しやすく、ブレにくい。
夜5分(言葉にする)
その日の“刺さり”を30〜60字で記述(評価はNG、描写だけ)
最後に問いを1つ:「なぜ私は今日それに反応した?」
続けるコツ:ノートは「見えた/聞こえた/比喩」3欄だけ。空白OK、綺麗に書かなくていいよ。
Twitter(現X)などでもいいですし、日記的に書く習慣になるといいのですが、面倒なので寝る前に思い浮かべるだけでもいいと僕は思います。「刺さり」とは、感情が動いたことや、目に止まったもの。「今日は何もなかった」ということは気づかなかっただけで、小さなことでも必ず何かあったはず。
「なぜ私は今日それに反応した?」…自分のメタ認知トレーニングになります。考えすぎると眠れなくなりますので軽めに!夜や孤独な時間はネガティブに思考が行きがちな時間でもあるので。できればポジティブな「刺さり」の回想がオススメ。
週替わりミニ課題(遊ぶように!)
モノクロしばり:色を封印して“明暗の音階”だけで世界を見る
三色ルール:見つけた3色だけで写真 or スケッチ
逆視:鏡・上下反転・距離×3で同一被写体を観る
他感覚翻訳:音→線、匂い→色、触感→言葉(エクフラシス)
ぽんさん向け(写真家モード📷)
1被写体×9変奏:高さ(地面/目線/俯瞰)×距離(寄る/中/引く)を全部撮る
痕跡を残す:ブレ・フレア・粒状…“失敗っぽさ”を意図的に採用
「光条ハント」:日々の“細い光の線”を1枚収集 → 月末にベスト3を言語化
・モノクロしばり
最近はやっていませんが昔はよくやっていました。色に惑わされず、光と影で構成されるのでとても勉強になります。
・三色ルール
これは今でもやっています。多いと焦点がブレるので。基本的には1〜3色になるように絞り、4色以上を使う場合はその意図を持って使うことが多いです。
・逆視
絵を描く時は特にやりますね。写真の場合は今でも構える前に近寄ったり離れたりを繰り返しています。最初にアンカーを打たれた印象とは違う印象を見つけるため。
・他感覚翻訳
これわかりにくいかと思いますので、チャッピーさんに分かりやすく説明してもらいました。
他感覚翻訳は、ひとつの感覚で受け取った体験を、別の感覚の形式に“翻訳”してみる方法です。
たとえば——
もっと見る…
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音 → 線
風鈴は「細く波打つ長い線が、間を空けて現れては消える」。
太鼓は「太い縦線の短い連打。ところどころに濃い点が跳ねる」。 -
匂い → 色
レモンの匂いは「明るい黄緑。縁だけ白く光る」。
雨上がりの土は「深い茶に灰色を少し。端に薄い青緑の膜」。 -
触感 → 言葉(エクフラシス)
古い木の手すりは「乾いた紙やすりの目が、手のひらを一方向に撫でていく」。
なぜ有効か
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伝わりやすくなる:比喩は“体験のコア”を圧縮して相手に渡せる。
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観察が深くなる:どの性質を移すか考える過程で、細部に目が行く。
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発想が増える:異なる感覚の接続は、新しい連想を生む。
3ステップでできる
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特徴を3つ拾う(事実)
例:〈音〉高い/短い/途切れがち -
対応表で置き換える(翻訳)
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高さ→線の“位置” 長さ→線の“長さ” 強さ→“太さ”
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明るい→高明度/温かい→赤み/冷たい→青み …など
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ひと言でまとめる(比喩)
「AはB(理由C)」で書くと迷わない。
例:カモメの声は細い線が高い位置で一度跳ねて、すぐ消える(高い/短い/途切れ)。
小さな練習
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音→線(30秒):今の環境音を1種類だけ線で描写してみる。
例:打鍵音=「短い四角が等間隔で並ぶ。たまに間が詰む」 -
匂い→色(30秒):今日の飲み物を色で言い当てる。
例:コーヒー=「低めの赤みを含む黒。縁に薄い琥珀」 -
触感→言葉(60秒):服の袖口を指でなぞり、質感を一文で。
例:「細かい粒が均一に敷かれて、指先だけ少し冷える」
よくあるつまずき
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詩的すぎて意味がぼやける → 事実の3つ(高さ/長さ/強さ など)を先にメモしてから比喩を作る。
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形容詞だらけ → “名詞+動き”を1つ入れる(例:金糸が揺れる/膜が張る)。
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似た比喩の乱用 → 同じ対象に比喩は1つまで。濃く、短く。
すぐ使えるテンプレ
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音→線:
「(高さ)な(太さ)の線が(長さ)だけ続き、(間)の空白がはさまる。」 -
匂い→色:
「(色相)(明度/彩度)。(縁/中心)に(色)が薄く重なる。」 -
触感→言葉:
「(名詞)が(方向/密度)に並び、(部位)に(効果)が残る。」
サンプル(海の“細い光条”)
「水面の光は、細い金糸が束になってほどけるみたいに、揺れのたび撚りが変わる。」
なかなか詳しくそして分かりやすい説明ありがとう。という感じです。
・「光条ハント」:日々の“細い光の線”を1枚収集 → 月末にベスト3を言語化
これですが、少し前に「光条」の話をしていたので出てきたもので、ざっくり言うと「テーマを決めて撮ってまとめる」感じです。
また、言語化することで、前述して来た具現化・構造化して、自分の中で整理することにより気づくためのトレーニングにもなります。
言葉以外でも、絵や音楽などをやる人は、そちらで同じテーマを表現しても面白いですね。写真に限らず、絵、音楽、文筆などでも通じる話かと思いますし、他の分野を知ることもまた、視野や感性を広げることに役立つかと思っています。
こんな感じが日々の感性トレーニングの概要となりますが、トレーニングと固く考えずに、楽しんで続けることが一番かな。
最後に、元々この話は「学校で美術や詩の授業はあるけど、ひとつの答えに収束しがちで、肝心の感性を鍛える授業ってやってなくない?」という話から始まっていたので、学校版カリキュラムも提案してくれました。
講義・レクチャーをする機会があったら参考になるかもしれません。
← 記事一覧に戻る45分でできる「学校版」カリキュラム案(評価しやすい形)
5分:無言観察(10秒/1分/5分法)
10分:比喩ワーク(各自1比喩→隣と交換して改良)
15分:制作(写真・線描・ことば、どれでもOK)
10分:リフレクション(「気づき」「選択」「次の一手」)
ルーブリック(評価基準)は“出来”ではなく、観察の具体度/選択の理由/他者の視点取り をA〜Cで記録。